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7月6日 コレチェキを止めるな

四月が終わりに差し掛かった頃、チャブ・F・フィッツジェラルドは三ヶ月続けた配達の仕事を辞めてしまった。彼は退職届にこう書いた。「こんな仕事クソくらえだ。わたしは、神から授かったこの優秀な頭脳をもっと他のクリエイティブな仕事に使うべきである。…

7月3日 進撃のコレチェキ

※6月25日ボウリング大会のブログ《後編》は2024年の冬に更新予定。 七月三日。わたしは日頃から肉を食べないようにしていた。かわいそうな牡牛や羊のためではなく、もっと別の理由からだった。とはいえ、なぜ肉を食べないのかと人に訊かれた場合には、わたし…

6月25日 中編 ボウリング・スペシャル

イン・フィニアは、元はといえば、アメリカ合衆国の民間軍事会社だった。一九四〇年代に対テロ組織のために設立され、訓練された兵士を軍事基地の警備にあたらせていた。ところが五〇年以降、戦争兵器の近代化に伴い、民間軍事会社の兵士たちでは対処できな…

6月25日 前編 ボウリング・スペシャル

ひどく暑い日だった。だからといって、おもしろくとも何ともない。ただただ暑いだけ。わたしは駅前のドラッグストアで水を買った。喫煙所を見つけたのでそこに入った。火を噴くように躯から汗が垂れ出して、買ったばかりの新しいシャツを濡らした。二本目の…

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6月16日 森のチェキたち

六月十六日。秋葉原。わたしは駅前の通りを一人で歩いていた。大きな通りは仕事から帰っていく奴らでごった返していて、しかし誰一人としてわたしに目を遣ろうとしない。当然だ。わたしはよれたシャツを着て、手に飲みかけの缶ビールを掴み、まるで排水溝を…

6月8日 コレチェキなき暴走

このブログをコレチェキの端で喉仏を掻き切って死んでしまった親友に捧げる。ありがとう、ハンク。 …… 監獄の中からこのブログを書いている。五分に一度のペースで看守が見回りにやって来るが、上手くやるつもりだ。久しぶりにブログを書いてみたいと思った…

6月4日 コレクションチェイク

コレクションチェキ、かく語りき。 わたしは六月から大学で哲学を教えている。ソクラテス、プラトン、カント、フロイト、孔子、サルトル、キルケゴール、ハイデガー、ライプニッツ。彼らはみんな偉大な哲学者たちだ。わたしは彼らを愛し偶像化している。とく…

アンドロイドはコレチェキの夢を見るか?

朝、目を覚ますと、隣に見知らぬコレクションチェキが置いてあった。やれやれ。 わたしはよく、このような状況に追いやられる。アルコールをたくさん呑み、朦朧とした意識のまま、ついついコレチェキを買ってしまうのだ。 わたしは酒、タバコ、そしてコレチ…

5月19日 コレチキ

高校に入ったばかりのわたしは喧嘩ばかりしていた。といっても、わたしは痩せ型で腕っぷしが強くなかったため、相手は十二か十三歳ぐらいの男の子が多かった。 喧嘩以外にも、たくさんの悪事をやった。不法侵入、窃盗、器物破損、ドラッグ、コレクションチェ…

5月15日 コレチェキ

※今回のブログはセリフの言い回し以外はすべて事実です。 …… 十二月半ばの話。日曜の夕方だった。わたしは歯医者を探していた。突然左側の奥歯が痛くなったのだ。 しかしなかなかクリニックが見つからない。近所のクリニックはどこも混んでいた。わたしが電…

5月8日 コレチェ

五月八日午前八時――わたしは留置所のベッドの上で目を覚ました。公安警察がわたしを逮捕してから二日目の朝だった。留置所の部屋は朝になるとひどく冷え込む。わたしは薄手のシーツを体に巻き付けながら、立ち上がり、部屋のトイレで吐いた。しばらくベッド…

5月5日 ちいかわ

わたしが八歳の頃、わたしの母親は軽食用テーブルの上にコレクションチェキを一枚だけ書き残してどこかへ消えてしまった。父親はひどく落ち込み、外で飲み潰れて家に帰ってこない日も多くあったが、それでもわたしのことをたったひとりで養い育てた。 わたし…

4月27日 コレクションチェキ

わたしがまだ幼い頃、母親は哺乳瓶のミルクにこっそりとウイスキーを混ぜてわたしに飲ませた。ちょっとした悪戯だったらしいが、わたしの体は深刻な状況に追いやられている。アルコール依存症歴二十四年と六ヶ月。まともに現実を見られなくなり、未だに仕事…